ごあいさつ
 きりゅうという場所は、他の町からみると異空間なのかもしれない。
この場に、織物という産業があり、その繊維産業と人々が歴史と町並みを作ってきました。
その後、近代化、機械工業が盛んになり多くの起業もされてきました。
そして現在、時が止まったかのような空間が町の中に点在しています。
この空間で育った世代から、デザイナー、映像制作者、表現者も輩出し、活躍をされています。
現代的な町並みで無い場所を求め、数々の映像スタッフの人々がこのロケーションを目指して
桐生、群馬に訪れます。公開されている、作品の中にきりゅうの町並みが使われているのです。

 わたらせフィルムコミッションとして、ご案内する場所も、その空間は紛れもなく桐生の時代を
担ってきた場所であり、象徴する建物であり。住民にとっても誇りとなるものなのです。
明治、大正、昭和の初めから平成にかけての風景と建物が、まちの中に溶け込んでいます。
作られた空間。観光施設でもなく、スタジオでもない、空間。
都会であれば拡張されたであろう狭い道路、昔ながらの鋸屋根で生産を続ける織物工場、
いまでも町の中心である商店街、そして歓楽街、山々と川に育まれたきりゅうの人々、
どれをとってもかけがえのないこの町のたからです。
映像制作者が求める、究極の場といっても過言では無いかもしれません。本当にそう感じる時があります。

 この場で、全てのたからをご紹介することはできません。是非、ご注文をして下さい。
「こういう場所を探しています」と、きっと見つかります。それ以上の場が待っているかもしれません。
わたらせフィルムコミッションのスタッフは、この町に誇りを持っているメンバーが担っています。
そして、映像という切り口で、このまちを豊かにし、ここに住む子供たちにもまちに誇りがもてる活動を続けてまいります。
仕事でも、遊びでももう一度訪れたい町、そして、そこに住みたくなる町でありつづけるためにも。
  わたらせフィルムコミッション代表 長谷川博紀